大きく張り出した耳と、しなやかな尾を有する民族。
男女比に偏りがあり、女性の数が圧倒的に多い。
この不可思議な現象がなぜ起こるのかについては、いまだ明確な答えは出ていない。
●歴史
第三西暦時代のアラグ帝国の圧政下では、被支配者層として苦しい生活を余儀なくされ、北州イルサバード大陸の南部地域に強制移住させられていた。氷の厄災がエオルゼアを襲った第五霊災「大氷雪時代」に、獲物を追って氷結した海を渡ってきた狩猟民族の末裔。1500年以上もの時を経て、再びエオルゼアへと戻ってきたのは、たとえ寒さが厳しくとも、環境エーテルが豊かなエオルゼアには、彼らが獲物とする獣の類が多く集まっていたためである。
今なお人口規模の少ないマイノリティーの地位に甘んじているのは、彼らが独自の生き方を貫いて生きてきたことの現れでもある。強い縄張り意識と、特有の伝統を持つミコッテ族は、都市国家との暮らしとは相性が良いとは言えない。だが、彼らが天賦の資質を備えた生まれながらの狩人であることに変わりなく、移動生活に適しているためか、冒険者として大成するものが多い。
●部族構成
昼行性のサンシーカー、夜行性のムーンキーパーに大別される。前者は昼間の狩りに、後者は夜間の狩りに適した身体的特徴を有するが故、活動する時間帯にも差が出たものと考えられている。ただし、部族や氏族によって、狩りの手法や文化は細かく異なっているため、同一部族であるからといって価値観が共有されているとも限らない。
●民族意識
ミコッテ族に共通するのは、狩猟生活で血を受け継いできたという誇りである。自らも自然の一部と考える彼らは、自由な狩りを重んじる。その一方で、老いによる脚力の衰えなど何らかの理由で、満足に狩りができなくなれば、自然の摂理として死さえ受け入れる。そんな彼らであるから群れることで自然を圧倒して都市を築くという考え方や、協力と法によって安全に生きることを強いる他種族の生き方は理解しがたいようだ。
●言語体系
狩猟で得た品を使って猟具の素材となる製品を手にするため、必要に応じて他種族とも取引を行ってきた経緯があり、共通語の導入が古くから進んでいる。ただし、狩りの最中に仲間と連携をとるために用いられる、口笛や舌打ちによる狩猟言語の中には、古語の名残が見られる。
●民族衣装
身軽さを長所とするミコッテ族にとって、動きやすさは何よりも重要である。それ故、手足の動きを妨げるような構造の衣装を嫌う傾向がある。なお、彼らにとって尾は、姿勢のバランスを保つための重要な存在であるため、外に露出できるよう脚衣にはあらかじめ穴を開けてある。
【サンシーカー】
「太陽の使人」と称する部族で、太陽神アーゼマの信徒が多い。エオルゼアにおける総人口は少ないが、26氏族が各地に点在して暮らしている。南ザナラーンの忘れられたオアシスや、ギラバニア辺境地帯などには、彼らの小規模な集落が見られる。また、自由な海賊暮らしが性に合ったのか、リムサ・ロミンサに定住する者も見られる。一方で、特に若者の中には、獲物を追って移動生活を送っていた古の血がそうさせるのか、冒険者として旅に出るものが少なくない。
●主な居留地
リムサ・ロミンサ、南ザナラーン、ギラバニア辺境地帯、ギラバニア山岳地帯など
●身体的特徴
ヒューラン族と比較すると、やや小柄でひと回り程度体格が小さい。力強くバネのある筋肉に恵まれており、敏捷性に優れる。炎天下で何時間も走り続けることができるスタミナも有し、乾燥地での狩猟では類い稀なる才能を発揮する。木登りや潜水に長ける者が多く、そうした点では船乗りにも適していると言える。縦に細長い瞳と淡い色の虹彩の印象的な目をもつ者が多い。
●命名法則
エオルゼア文字が氏族の数と同じ26文字ということに運命を感じ、それぞれ1文字ずつを氏族名とすることとした。
女性は<氏族名><個人名><父親名>という命名となるが、普段は父親名は省略される。
男性は<氏族名><個人名>の後に「ヌン」または「ティア」と称する。
なお、各氏族はそれぞれ1種類の狩りに関わる生物をトーテムとして大切にしており、対応する氏族とトーテムは以下の通りとなる。
ア族:A アンテロープ
ビ族:B ボア
カ族:C クァール
デ族:D ドードー
エ族:E サラマンダー
フ族:F ベアー
グ族:G グリフォン
ハ族:H ギガントード
イ族:I バッファロー
ジャ族:J ジャッカル
ク族:K ヒッパリオン
リ族:L ヴァイパー
メ族:M マーモット
ン族:N アルドゴート
オ族:O モール
ペ族:P バジリスク
キ族:Q プーク
ル族:R ラプトル
ス族:S ズー
チャ族:T コンドル
ウ族:U ドレイク
ヴァ族:V ヴァルチャー
ワ族:W ウルフ
シ族:X リンクス
ヤ族:Y ジャガー
ジョ族:Z ジズ
●文化
男性を家族の源と考える文化があり、父親である「ヌン」がハーレムを築き、氏族を繁栄に導く一夫多妻制である。この「ヌン」の元に生まれた男児は「ティア」として育てられ、「ヌン」に決闘を挑んで勝利するか、放浪の旅に出て縄張りを獲得し女性を娶って自ら「ヌン」となるのか選択する必要がある。大規模な縄張りの場合、同一集落に複数の「ヌン」が並立していることも稀にあるらしい。
【ムーンキーパー】
「月の防人」と称する部族で、月神メネフィナの信徒が多い。黒衣森において狩猟生活を営むが、彼らを密猟者とみなすグリダニア民とは長年対立してきた。近年では和解が進み、猟師ギルドの取り決めに従って狩りを行い、そこで得た毛皮や肉を、農作物などの生活必需品と交換して生計を立てている者も増えている。しかし、今なお古くからの自由な狩猟生活にこだわり、クァールクロウのように密猟団を結成して森を荒らすものも少なくない。
●主な居留地
黒衣森など
●身体的特徴
総じて尾が長めな点を除けば、サンシーカーとの体格差はほとんどない。暗い肌や大きな瞳孔といった部分が身体的特徴となっている。一般的にサンシーカーよりもスタミナ面で劣るが、精神力に優れ、並外れた勘の良さを持つ。ムーンキーパーの狩人が夜陰に紛れて、見えぬはずの獲物を捉えるのは、こうした直感によるものらしい。
●命名法則
サンシーカーと違い、氏族名は使用せず、母方の苗字を使用する。また、個人名は男女差に乏しく、どちらも力強く短い音節のものが多い。
女性の場合は<個人名><母親の苗字>となる。
男性の場合は<個人名>と<母親の苗字>の間に、母親にとって何番目の子かを表す文字が加わる。長男から順に「ア」「ト」「リ」「セ」「ラ」「イル」「ヲ」「ヤ」「ジ」「タン」と十男までの音節があるが、事実上10人もの男児が生まれることはないが、古くからの伝統として決められている。
●文化
父親中心のサンシーカーと異なり、ムーンキーパーは母親と子供たちという家族構成を軸に生活する。多くの場合2~3家族の小さなコミュニティを形成し、狩猟生活を営んでいる。狩りの際には戦化粧と呼ばれる独特のペイントを頬に施すことがあり、それは己の手を血で染める覚悟と責任、氏族の誇りを表すものだと言われている。
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